#3 桑原健史(12期・2011年卒業)喜びと挫折、人生の糧になった6年間の経験

こんにちは。桑原健史と申します。

私は中学1年生でヴェルディ相模原に入団し、ドリブルにワンツー、個人技と自由な発想を大切にするサッカーに魅了されユースに上がり、高校3年生ではキャプテンとしてチームを引っ張りました。

その後、東海大学に進学し4年間体育会のサッカー部に所属した後サッカーを引退、現在は報道の業界で働き3年目を迎えております。

そんな私から、僭越ながら

ヴェルディS.S.相模原での活動を通じて得る事の出来た『人生の糧』について書かせて頂きましたので、最後までお付き合い頂けましたら幸いです。

 

桑原さん

在籍していた6年間を振り返るとたくさんの思い出があります。一番記憶に残っているのはジュニアユース時代の経験です。

実は今だからこそ言える事ですが、4歳から兄の影響でサッカーを始め地域の少年団に在籍していた私は、小学6年生の時に神奈川県大会で4位になり、キャプテンも務めていた経緯等もあってか、入団前には1年生からAチームで試合に出て活躍する自信がありました。

しかしいざヴェルディS.S.相模原に入団し活動がスタートすると、全く想像していたようにはいきませんでした。

皆、個人技が高く、なかなかAチームにあがる事ができませんでした。

転機になったのは中学2年生の終わりの頃です。県のリーグ戦で私はBチーム登録となり、Aチームより下のカテゴリーで公式戦を戦う日々を過ごしていました。

入団当初はチーム内での序列は下から数えてすぐに名前があがる位置づけだったと記憶していますが、先記のリーグがスタートする頃にはBチームでキャプテンを任され、Bチームでは中心的な選手になっていました。

今振り返ればそんなちっぽけな成長・変化で私はその当時調子に乗っていたのだと思います。最終的な目標を見据えればまだまだなのに、目先の変化だけに満足して自分がうまくなった気でいて、周りとプレーがあっていないと感じるようになり、自分を棚に上げてミスを周囲のせいにしている自分がいました。

そんな自分を見透かされていたのか、当時は何をしてもコーチに怒られました。私がパスを出した選手がボールを取られれば「お前のパスが悪い」と言われ、失点をすれば「チームを統率できていない」と言われました。

何をやっても怒られる。そんな日々が続き、私にとってこの経験は人生で初めて迎えた大きな挫折でした。

正直つらいなと思うこともありました。しかし今振り返ればこの時コーチは常に「その先」を見据えて叱咤激励をしてくれていたんだというのがとても良くわかりますし、この時一番大切なモノを見失っていた私にとって、この経験があったからこそ『自分との戦いなんだ』と気付く事ができ、その後も成長を続けられたんだと思います。

きっと私以外のOBの中にも、こうした「その時はわからなかったけど今思えば—」という想いを抱える方は多いのではないでしょうか?

そんな悶々とした日々を乗り越える原動力となっていたのは、サッカーが好きでもっとうまくなりたいという向上心と反骨心です。

プレーで見返すしかない。練習に明け暮れる日々が続きました。

どうすればチームが勝てるのか?周りの選手が気持ちよくプレーできるのか?常に試行錯誤を繰り返しながら練習に取り組みました。

そうした日々を送るうちに自分の実力も周囲に認めて貰える様になり、Bチームの1部リーグ昇格など結果が伴ってきた事もあり、中学3年生にあがるタイミングでAチームに上げてもらい、その後は最後の引退試合までスタメンでプレーをする事ができました。

この時、先記の様に、誰のせいにもせず自分自身との戦いだと捉え、目標を見据えて行動が出来た事が自分なりに挫折を乗り越える事ができた大きな要因だったと思いますし、そうした想いで行動が出来たのも、厳しくも温かく見守り続けてくれたスタッフの皆様と、そして何より小さな頃からそうした行動をする事の大切さを自分に伝えてきてくれた両親のお陰と感謝してもしきれません。

私にとってこの経験が人生の大きな糧になっています。

クラブとしては全員がプロのサッカー選手になることが理想なのは間違いないと思いますし、私はそんな中で夢であったプロサッカー選手になる事はできませんでした。

しかしそれでも、苦しみながらもめげずに努力を続け、Aチームのスタメンを掴み取ったという経験は、『努力を続けることの大切さ』を教えてくれました。

この経験があるからこそ、今でも向上心をもって仕事に前向きに取り組めています。

社会にでれば自分の思うようにいかないことも少なからずあります。そんな時にふと過去を振り返ると、うまくいかなかった経験の方が、自分を支えてくれるものです。

正直、自分が今、中学生や高校生だったら、サッカーに専念できているかわかりません。クラブでサッカーをしている後輩達に伝えたいことは『今に向き合ってほしい』ということです。サッカーにしても勉強にしても目の前のことに全力で向き合ってほしいと思います。

今は、様々な不安があると思います。それでも本気で目の前のことに向き合い続ければ、うまくいってもうまくいかなかったとしても、人生の糧になるはずです。


最後に・・・

ヴェルディ相模原というチームで共に汗を流した仲間や先輩・後輩、お世話になった監督やコーチの方々、ヴェルディ相模原で過ごした6年間は今でも私の宝物です。

今クラブにいる子供達は、将来プロサッカー選手になる人もいれば、企業で働くサラリーマンになる人、公務員になる人など最終的に進路は様々になります。どんな道に進もうとも大人になった時に、『ヴェルディ相模原で良かった』と思える経験を積んでほしいと思います。そのためには全力でサッカーを楽しむことが不可欠です。こういう時だからこそ、サッカーができる幸せ、仲間と過ごす時間の大切さ、親や支えてくれる人への感謝の気持ちを忘れずに楽しんでください。

新型コロナウイルスの感染拡大は私たちの当たり前だった日常を奪いました。それはヴェルディ相模原も例外ではありません。子供達がサッカーを全力で楽しむために必要な環境作りを、未来を担う子供達の夢をより大きく鮮やかに彩るためにも、1人でも多くの人が今回のプロジェクトに興味を持ち、支援の輪が広がっていくことを願っています。

桑原さん2