#20 新宅由己治(12期・2011年卒業) 無尽蔵の体力…?いえ、限界です。
2011年卒部の新宅由己治です。
まず初めに、タイトルに書かせていただいたのは、土持さんに『新宅は無地蔵の体力だからな』とよく褒めて頂いていたフレーズです。
それが自分にとってとても励みにもなり、またモチベーションだったのをよく覚えています。
でもその言葉を頂くタイミングで体力がすでに限界を迎えており、もう無理です!と思っていた事も記憶にあります(笑)
今振り返れば性格をしっかり把握して下さり、上手く頑張れる言葉をかけて頂いてたのがわかります。
フィジカルトレーニングの時も、ぎりぎりクリアラインを走っていると、新宅サボるなよ!と言われました。
繰り返しますが、そういう時は大体限界でした。(笑)
でもそんな言葉でより頑張れてしまう自分がいた事こそ、今の自分があるのはあの頃のおかげと言い切れる理由です。
きっと言われてきた根源として、父がよく走れる人だった、ということがあるのですが、その期待に応えなきゃと頑張っていたのが懐かしいです。
そんな私がユース在籍時の3年間で学んだこと、感じたことは、本当に人生の糧となっています。
一言で言うと逆境を楽しめるようになりました。
感謝の気持ちを込めて、このプロジェクトに参加させていただき、ヴェルディ相模原の発展、そして、これからの子どもたちの未来のために力になれればと思っております。
簡単な自己紹介をさせていただきます。私は選手として、エリートでもなければ、何で試合に出させてもらっていたんだろうっていうような下手くそな選手でした!時々たまーーに魅せる、光るプレーにきっとコーチたちは期待していたのだと思います(笑)
中学までは町田市のクラブチームで活動し、ヴェルディ相模原にはユースから一員となりました。
大学では教育に興味があったので町田の出身チームのコーチとしてサッカーと関わっていました。
そんな時、土持さんからお声をかけていただき、ヴェルディ相模原の北公園ジュニアスクール・大野台校ジュニアスクールの指導に入る機会を得ました。
その甲斐もあり、現在は教育関係の仕事に就いております。
在籍3年間は気持ち、拘りの大切さを学びました。ヴェルディ相模原といえば局面を打開できるドリブルやワンツー、対人の厳しさ、駆け引きなど、拘りが詰まってるチームです。私はドリブルも上手くなければ対人の厳しさもありませんでした。
ユースからの入団でジュニアユース上がりの同期や先輩たちの迫力あるプレーには毎日圧倒されていました。
紅白戦が始まれば、戦いのようなボールの奪い合いが始まり、ファールギリギリ(?)なタイミングで足が入ってきたり、判断が遅れると後ろから削られるかもしれない恐怖が常にありました。
中学生もユースに混じり、同じように戦っていました。自分がいた環境(中学時代)とヴェルディ相模原の環境には大きな差があり、正直最初はついていけませんでした。
それでもスタメンに名前が呼ばれないと妙に悔しかった思いはあったので、とにかく最初は見様見真似でタックルやワンツーのタイミングなどを練習し、自分なりにチャレンジしていました。
恵まれたことに、先輩にも後輩にも個性的でテクニックのある選手が多かったので、見ていても楽しかったですし、やられても『うぉーやられたー!』と瞬間を楽しみながらやっていました!
特別な個性は私にはありませんが、仲間とやるサッカーを人一倍楽しんでいたよう思います。
さらに、監督やコーチの勝ちにこだわるコーチングが選手同士を刺激し合い、練習の質をあがると、いつの日かギリギリの緊迫感がある紅白戦が好きになりました。
また、ヴェルディ相模原と言えば走り、8種目(筋トレ)の記憶がたくさんあります。他校への遠征でも負ければ走りや8種目。職業能力開発大学での試合は地獄でした。
勝っても負けてもトラックがあるので走りますし、空いている芝で8種目もたくさんやりました。
また、とある2連戦で大敗した時、大敗に怒ったコーチが100本(くらい)ダッシュを命じられ、グラウンドをダッシュした事もありました。
70本くらいダッシュをした後(約1時間半)チームメイトがコーチの車を確認しに行き、いないことに気づいた時のドキドキ感は忘れられません(笑)
外発的な刺激ではありますが、試合の結果はもちろん、1対1でも勝ちにこだわる。そんな環境がヴェルディのマークを付ける意味をいつも考えさせられたと思います。
指導の立場で関わらせていただいた際も監督やコーチたちの求めているものは変わらず、一貫した指導でした。
小学生でもボールの動かし方やドリブル、逆の取り方、ワンツーの入れ方、腕の使い方など細かく指導されていました。
1対1でライン突破をスライディングで止めようとしないと指摘されていて、ユースと同じことを小学生にも伝えていました。
この一貫した指導が、当時私が(ユース入団当初)圧倒された個性を作り、上手い、強い選手が育つ土壌なのだと感じました。
また、ピッチの中では子どもを子どもと扱わず、1人の選手として真摯に向き合う監督やコーチ達の姿は私自身、かなり刺激になりました。
小学校低学年でも試合になると絶対に点数を取らせず、必ずコーチチームが勝ちます。(笑)
これこそが、ここからプロが沢山でる秘訣なんだと感じたのを覚えてます。文字におこすと簡単なフレーズですが、簡単に真似できない事が沢山詰まっているのがヴェルディ相模原です。この魅力は、少しでも多くの人に知って欲しいと思います。
最後に、当時はたくさん辛い思いもしました。
しかし、振り返ればヴェルディ相模原の環境は、仲間と切磋琢磨できるだけでなく、その先の将来の自分のために学ぶことが多かったと思います。
理不尽なことも多く言われたこともあります。子どものことを考え、本気でぶつかってくれる大人がいるチームで活動出来ることは素晴らしい経験になると思います。
私は、困難や辛い場面を乗り越えた先にしか成長はないと思っています。
今いる選手にはなかなか届きづらいメッセージかもしれませんが、辛いことがあっても、少し歯を食いしばって困難にぶち当たってみるのも良いかなと思います。
辛い時は少し角度を変えて物事を捉えると違った見え方がしてくると思います。
私は下手くそです。今でも仲間内でサッカーをやるとカモにされます。
周りはみんな上手いです!ちょっと切なさと羨ましさもあります(笑)でも、だからこそサッカーが楽しいです!まだまだ真似をしようと頑張っています!なので今クラブで頑張る選手達にも、沢山の発見を楽しんで欲しいです。
ヴェルディ相模原の発展とこれから活躍する選手たちの飛躍を願っています。
2011年卒部 新宅由己治